メトロカフェ

宿に荷物を置き、地下鉄を三本乗り継ぎオルセー美術館*1へ。

通勤客は概ねノータイかポロシャツといったラフな格好。
若い人はポロシャツやTシャツ姿も。
一部のえらいさんクラスと思しき紳士だけがスーツをびしっと着込んでいることに、
さらに、乗るメトロの路線の間でスーツ率には違いがでることに気づく。
オルセーやルーブルのある1号線沿いは、高級住宅街のパリ16区を通り、セーヌ川に沿って東西を走っているのに対して、宿のある13号線沿線は(後でわかったことだが)ちょっと治安の悪い地域(サンドニなど)を通るようだ。

つまりそれなりの「階層」によって、着る服も乗る電車も少しづつ異なるということなのかもしれない。
日本でもよく観察したら気づくことなのだろうけど、ココへ行くとこうだということがうまくマスクされているということだ。

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駅を降りて、強い日差しに目が眩みそう。
歩いているうちに汗ばむのは日本と同じであるものの、
木陰に入れば乾いた心地よい風でたちまち引いてゆく。
オープンカフェというものを作ろうとする理由を肌で感じる。
その一方、街にベンチや座れる場所が意外と少ないことにも気づかされる。
座る場所を探そうとすると、カフェに行き着く。
犬も歩けばカフェに当たる。

パリでは、
人と待ち合わせるのも、
会って話をするのも、
ちょっと一休みするのも、
腹ごしらえしてどこかへ行くのも、
みーんなカフェから始まるからだ。

だから、
自然と近所のカフェのマダムにかわいがられるようになったり、
近所の常連と顔なじみになっていったりする。
それが、モンマルトルのカフェであるならば、
ミルクが発酵してチーズになるがごとく、
カフェをきっかけに自然と芸術家(もしくは志す人々)であふれるコミュニティがいい塩梅になるのももうなずける。

*1:詳しい位置、他の美術館はココを参照-->http://www.paris.org/Maps/MM/