青山ブックセンター閉店

TKO_CO_LTD2004-07-16


生まれ育ちは東京で、高校生の終わりあたりから大学卒業までかなりお世話になった本屋だけに、個人的に非常に寂しい話です。ADC年鑑とか堂々立ち読みしやすいのはあそこぐらいだったんだよなー。
1990年前後の東京に於ける青山ブックセンターは、本を分野別にして網羅的に揃える当時の圧倒的多数の本屋に対し、その後の本の置きかたに大きく影響を与えた店だと思います。本屋が取次が送るままに本を店に並べるのではなく、揃えたい本を入れて本屋の雰囲気を作り、配置に気を使い、そのコーナーに並べた人間の世界の切り取り方まで滲んでいる・・・その本の世界を知らない人にとって紹介するというか、その世界へのいい入り口を作っていました。 その姿勢が最後まで維持できていたのかは東京を離れ神戸に移り住み10年経ってしまったので、判りかねますが。

紀伊国屋三省堂(渋谷の大盛堂と旭屋もいれておこう)をデパートとすれば、神保町の古書街は濃い専門店の集まり、コロコロコミックに紐を括ってつり下げる地元の書店は駄菓子屋、TSUTAYAとセットになった郊外型書店はヤンキーの溜まるコンビニ、では青山ブックセンターは?というとなんとも例えにくい。それぐらい異質だった。

リブロもパルコブックセンターもブックファーストジュンク堂と大してかわらなくなったし。あとは、京都の恵文社一乗寺店とかヴィレッジヴァンガードあたりに、灯を消さずに生き残れる規模で結構ですので、地道に活動を続けて頂きたいと思います。それにしても、梅田にできたばかでかいブックファーストはなにか勘違いをしている気がするぞ。巨大な横浜そごうを作ろうとするセンスを感じさせる。

セゾン美術館/WAVE六本木店渋谷店/Virgin Megastore新宿店につづくバブル末期の遺産がまた一つ幕を閉じました。「選択と集中」の流れはとどまることなく。