Resfest2004 Osaka | November27 ネタバレ編

SHORTS#02

DANGLE / Dir. by PHIL TRAILL

ボタンがあったら押したくなるのが人の常。ある日丘に散歩に行ったら、赤い紐が天からぶら下がっているのを目にした男の話。明滅する空の表現、切れて降ってくる赤い紐の表現。ワンアイディアを質感を統一して作り込めるからこその作品なのだろうけど、もう半ひねりあるオチだと最高だった。というのは見る側の欲張りか。

RARE EXPORTS INC. / Dir. by JALAMARI HELANDER

同じくワンアイディアを細かいディテールまで作り込んだ作品。オチが判ってもそれを膨らませて笑いを誘い続ける演出勝ち。フィンランド産のなにを”EXPORT”しているのかはネタバレ編でも敢えて伏せておこう。おすすめの8分間。

SUNDAY / Dir. by DUNCAN SKILES

NY大学の学生による参加作品。ベビーシッター先の子供に手を焼く女の子とそのボーイフレンド。良くも悪くもアメリカの王道で話は進みます。冒頭に登場する女の子の父親の声をボイスチェンジャーで変えているのを聞いてちょっと期待しすぎたかも。でも、日本の学生参加作品に見られる「気持ち悪いけど印象深く残るキャラクターで一発勝負」のゲリラなノリよりも、広範囲なオーディエンスの方を向いているなぁ。

ONE STEP AHEAD / Dir. by STEPHAN NADELMAN

サウスパークの雰囲気を漂わすけど一段深く不思議な質感を持つキャラクターが、軽快な音楽に合わせて誰よりも一歩早く出んと疾走する。お気に入りの一本。

THE MAN WITHOUT A HEAD / Dir. by JUAN SOLANAS

頭のない男が大切なデートに合わせて自分の頭を初めて買いに行くお話。冒頭の感じだと未来の話のようだけど、街は古いフランスをイメージしているのか全編フランスっぽさたっぷり。 「頭のない」という設定を「顔のない」にしたら、一気に個人の内面の話が露骨に浮き彫りになって陳腐になっていたところだったろうけど、思い切って頭にしたのが良かったのかもしれません。終盤のシーンにある、買った頭をいざつけてみたら選んだものとは違ってそれは黒人のもの。意外と気に入ってこみ上げる笑いが止まらなくなるものの、手と色が違うじゃないかと我に返るシーンがお気に入り。
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VIDEO THAT ROCK

THREE GIRL RHUMBA / Dir. by DOUGAN WILSON

かつてレゴで人や楽器演奏の動きを表現してミシェル・ゴンドリーが話題になりましたが、これは飛び出す絵本!きっちりと楽器演奏もさせてます。

I LOVE DEATH / Dir. by HANNAS HAYHA

カルマは巡る。救われない沈んだ気分しか残らない。中絶反対派へのメッセージを込めているってことはないな。だとしてもPCではないオチじゃ使えない。

BELLY / Dir. by BRETT SIMON

不思議な質感を持つボーカルの上半身が画面で歌う一本。何でやっているのかとパンフレットをみたら、顔を直にスキャンしたのだそうで。

WALKIE TALKIE MAN / Dir. by MICHEL GONDRY

で、ミシェル・ゴンドリーの今年の作品。期待を裏切りません。今度は毛糸編みのキャラクターをアニメーションで動かすわ、実写のバンドメンバーも毛糸編みの楽器で演奏させるわ。しかも、ただこのワンアイディアを映像化するに飽き足らず、しっかりとオチをつけます。御得意の巨大な手を使って! しかし、どれだけの手間暇かけてこのビデオを作っているのか。やはりミシェル・ゴンドリーは他の作家と比べて一つも二つも狂い方が違う。

SPOKES ON THE WHEEL TORMENT / Dir by SYD GARON , ERIC HENRY

一つ前をみて、これでオーディエンスチョイスアワードへの一票は決まりかと思ったら、出てきました。中世の絵画をスキャンして地獄絵を表現。地獄でカラダをバラバラにされた上にビートを刻まされ続けるバケットヘッド。音楽とのバランスがしっかりとれた一作。
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