Triple Threat (ネタバレ編)

hanpandaの野田凪特集ということでこのセッションもみることにしましたが、想定外の拾いものがひとり。

Triple Threat

Francois Vogel

 ”READYMADE"を見ているとき、人物を四角で囲って画像処理した作風はどこかでみたことあるなーとぼんやり思っていました。そして、この処理を使って人物をカードのようにしたり、人物の枠に入るとどこでもドアのように写真の世界に行ったりすると面白いなーとも。でも、それはそのあとに続くHPのCMをみて、既視感は本物であったことが判りました。( CNNあたりで見たんだろうか?)次になにを作るでしょうかねー。Francois Vogelという名前が次にでてくるのはプレイステーションである事を予想しておこう、もちろん4つのボタンで遊んでもらいます。

TROIS PETITS CHATS
FRANCOIS VOGEL | FRANCE | 2003

空間をねじ曲げる表現を使って会話もねじ曲げます。

READYMADE
FRANCOIS VOGEL | FRANCE | 2004

以上二つはDirector>Francois Vogel の階層ででてくるリストから選択してください。

HP “PICTURE BOOK”
FRANCOIS VOGEL | FRANCE | 2004

HP “YOU”
FRANCOIS VOGEL | FRANCE | 2004

こちらはHPのCM作品

Jonnie Ross

INTERNAL CONFLICT
JONNIE ROSS | USA | 2004

 コインランドリーで洗濯していると自分にそっくりな男が立っている気づく男。二人は睨み合いそしてリズミカルに殴り合う。

Nagi Noda

SMALL LOVE STORIES
NAGI NODA | JAPAN | 2004

francfrancクリスマスセール用に作られたCM。前の席に座っていた白人男がこれをみて爆笑していたのだけど、そんなにツボにはいったのか。

MARIKO TAKAHASHI'S FITNESS VIDEO FOR BEING
APPRAISED AS AN “EX-FAT GIRL”

NAGI NODA | JAPAN | 2004

 タカハシマリコのフィットネス教室。これはパナソニックのオリンピックをテーマにしたショートフィルム集。ten short films>Nagi Nodaから見る事ができます。

YUKI “SENTIMENTAL JOURNEY”
NAGI NODA | JAPAN | 2004

YUKIちゃんのアレ。

LA FORET FASHION SHOW FILMS “CAT WORK” AND “ANIMAL GIRL”
NAGI NODA | JAPAN | 2004

ミシェル・ゴンドリーの作品(たしかBECKの)に出てきたような影の表現だけど・・・

SHORTS TWO (ネタバレ編)

 寝倒した上に河原町から迷ってしまったので前半はみれませんでしたよ・・・印象深いのはこの二つ。

SHORTS TWO

In Passing
UK | 2005 | 5:30
DIRECTOR: CHRIS ALLEN, ROB RAINBOW

 マンチェスターの街を映した映像に周囲の会話やモノローグが文字として重ねられ、流れてゆく。
オーディエンスチョイスアワーズに投票。

Eiffeltornet (The Eiffel Tower)
SWEDEN | 2004 | 13:00
DIRECTOR/SCREENWRITER: NIKLAS RDSTRM

朝、目覚めたら常識が全て違うとしたら?エッフェル塔キプリングタワーの名前でロンドン建っている世界になっていたとしたら?エッフェル塔の存在を主張する男とそれをなだめる女。やり取りの果て男は次第に「新しい世界」を戸惑いながら受容しようとする。ある中年夫婦の朝の会話を描いた作品。

resfest2005 Kyoto

 resfestの国内最終開催地・京都はアートコンプレックス1924にて。この建物1924と名前がついているだけに、ふるーいもの。一階と二階にはカフェが入店。三階の吹き抜けのあるスペースが本日の会場。人が入って100人程度のこじんまりとした多目的スペースというより、ホールという感じか。古い建物をアートスペースに再利用する試みは神戸ならCAP HOUSE、東京は秋葉原のcommand Nなどありますが、自治体が絡んだものが多いですね。(command Nて一度だけしか行った事ないんですけど、もとは千代田区の建物でしたっけ?)ここはどういう形態で成り立っているのかちょっと気になります。このあたりの太っ腹オーナーが道楽で貸しているのか、アートスペース維持にカフェをテナントに入れてどうにか成立させているのか、はたまたでかい企業・団体がバックについているのか・・・

SHORTS ONE(ネタバレ編)

SHORTS ONE

Rehearsal
France | 2005 | 1:00
Director: Gabriel Malaprad

 8mmフィルムでジャンプした姿をコマ取り続け、飛ぶ。という映像を思い出させる一分間。一発モノ、けどそれだけ。ワンパンチだからいいのか。

La vie d'un chien (The Life of a Dog)
USA | 2004 | 13:15
DIRECTOR/SCREENWRITER/DIRECTOR OF PHOTOGRAPHY/EDITOR: JOHN HARDEN

 一夜だけ犬になる事が出来るクスリ"K9"を開発し自ら実験台となった研究者の一夜の出来事と、彼の最後の決断を綴る一編。 例えば目の前を走る車をどこまでも追いかけたい犬としての衝動と、これまで積み重ねた経験・社会からの信頼、あなたはどちらを取りますか?
 もっと犬の衝動に引き込まれる様子やその葛藤を細かく描き込み、犬としての生き方を選ぶかどうかに絞り込んで、彼女犬とか役人とかK9愛好家の小ネタは削って描いたらよかったかもしれない。さもなくば、K9愛好者ネタを膨らませて笑わせる事に徹底するか。映像ではなくてスティルイメージのスライドショーにしたのは正解かも。犬の喧嘩や交尾なんて映像で思い通りにとれるわけでなし。

The Raftman's Razor
USA | 2004 | 7:15
DIRECTOR: KEITH BEARDEN

ゴムボートで漂流する男以外なにも描かれないというシュールなコミック”Raftman”にハマる田舎の中学生、”Raftman”に魅せられる特別な自分たちに酔う姿と醒めるまでが描かれる。だれもがいつか見た風景。

Jane Lloyd
USA | 2005 | 5:37
DIRECTOR: HAPPY

”Jane Lloyd”という架空の一人の女性の一生を、”Jane Lloyd”という名前の入った物を写り込んだ映像を音楽に載せスライドショー風にみせる。抑え気味に畳み掛けて力強い映像になった。オーディエンスチョイスアワードに投票するつもりだった一本。

Box
CANADA | 2005 | 1:42
DIRECTOR/ANIMATOR: NAKD

生きているかのように分解・増殖・再構成を繰り返し、街を覆う段ボール箱を描いたショートフィルム。ストイックに段ボール箱の動きを描いただけなのでオチはないのだけど、印象に残る質感とスピード感。 このあと、段ボールが埋め尽くして新しい都市を構成するか、全て解体して荒れ野に戻ってもよいし、火が放たれるのもよし。

Flesh
FRANCE | 2005 | 9:00
DIRECTOR/ANIMATOR/EDITOR: EDUOARD SALIER

911をモチーフにした作品なんだけど、安易。3DCGで911っぽい描写がうまくいってたけど、もうひとひねりするためにエロティックな描写を組み合わせFleshというタイトルをつけた、という舞台裏かもと思わせしまう位。

Le Grand Sommeil (The Big Sleep)
BELGIUM | 2003 | 5:00
DIRECTOR/ANIMATOR/SCREENWRITER: PIC PIC ANDRE´

正統派の人形を使ったアニメーション!これまで出てきたキャラクターの中で一番印象に残る。

Over Time
FRANCE | 2004 | 4:55
DIRECTORS/ANIMATORS/EDITORS/SCREENWRITERS: OURY ATLAN, THIBAUT BERLAND, DAMIEN FERRIE´

亡き主を偲ぶカーミット似の人形のアニメーション。

resfest2005 Kobe

 本年の開催は大阪から、神戸・京都の二都市開催。会場変更の理由はなんばHATCHのキャパがでか過ぎだったからなのか。で、今年移った先の神戸会場はKAVC神戸アートビレッジセンター)ちょっと一気にスケールダウンさせ過ぎじゃありませんか?本日のSHORTS ONEはほぼ満員の入り。とはいっても50人位なんですけどね。オーディエンスチョイスアワードの投票用紙が足りなくなるってことは、これより入らないと見ていたわけか。

追記(11/16)

判らないで終わらせていた前エントリーですけど、詳細なバックグラウンドが記載されている在マルセイユのma_cocotteさんのBlogを参照して、それから判断することにします。ともかく彼らは最下層民として虐げられている、といった単純な図式は日本の新聞のフィルターを通したものだということ、サルコジ発言の本来の意味についても書かれています。と、今頃追記。
ma_cocotteさんのBlog ■Tant Pis!Tant Mieux!そりゃよござんした。■

フランス暴動から

 今更ながらフランス暴動の話。暴動のきっかけとなった地の名前「クリシー・ス・ボワ:Clichy-sous-Bois」というパリ北部の名前をニュースから、久しぶりにクリシーという名前を耳にした。二年前の夏、欧州を旅したときにパリで取った宿(YH)の最寄り駅が、地下鉄13号線の「メリ・ド・クリシー:Mairie de Clichy」。もっとも、暴動のきっかけとなった事件が起きたのはクリシー違いで、空港に近いもっと北のエリアに位置する町(地図参照 http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/4409854.stm)。でも、メリ・ド・クリシー辺りもたいがいガラが悪かったかな。夜11時頃に歩いて宿に帰ろうとしていたときに交差点で車と歩行者でトラブルを目の当たりにした事があったのだけど。怒ったドライバーが怒鳴りながらいきなり蹴り倒し、蹴られた方は打ち所が悪くてぐったり。それでもかかって行くのを廻りの通行人が止め、そこまですんなよとなだめる・・・という感じ。
 実際に暴動があった辺りはどういうところだろうか。パリ北部のサンドニにはW杯の決勝の舞台となったスタジアムがあるのだけど、高速道路を越えた裏手辺りから街の風景が薄汚く建物のデザインも変わり、サンドニではないが酷いところではプレハブぽくなったりと雰囲気ががらりと急激に変わってしまう。それまで中心地にいてバーゲン中の華やかなな風景との異常なまでの落差に垣間みる程度だったものの驚いたもの。そんな風景は空港への行き帰りのRER(フランス国鉄の近郊線)やバスの車窓からも、建物の劇的な変化をパリ中心地から数キロ離れただけで見る事ができるだろう。ここから先は「こういうところ」なのかもしれない、と。事実、パリ在住の同級生から「クリシーとかで携帯電話は絶対使いたくない。ひとたび使えば5−6人に囲まれて奪われてれてしまうから。」というコトバを頂けるぐらいだ。そう、パリには「階層」が目に見える形で存在する。

 階層が違うから関わりたくないのか、関わらないから階層間の断絶が深くなるのか。当時は階層差を所得差程度にしか見ていなかった私は、旧市街には金持ちが新市街や郊外には相対的に貧乏人が住むようになると思っていたのだけど、このところのニュースで暴動の背景を知るにつれすっかり暗澹とした気分にさせられてしまった。これは移民問題ではない。彼らは既に三世でフランス生まれフランス育ちでフランス国籍をもっているのだから。サルコジ内務大臣の煽り発言も、このタイミングで人の琴線に触れるような言い方でなぜできるのか、暴動鎮圧の責任者として理解に苦しむ。「人間くささ」が現れただけにしては浅すぎる。その上、この内務大臣かねてから移民政策に積極的だったみたいで。そこがまた判らないんだよな。